ブラッディ トゥ ナイト

「はい。それじゃぁ、俺は歌姫ちゃんの所へ行きますね」

「じゃぁまた明日」

僕は2階に上がる火茂瀬の背中に手を振った。

マスターに火茂瀬の分の代金も支払い、外に停めてある車へ急いだ。

「はぁ……」

シートベルトを締め、安堵の溜め息。

やはり慣れない場所というのは体に良くない。

『あれ、1人?』

「うわっ……脅かすな」

助手席に座っていた文月に気付かなかった。

< 269 / 379 >

この作品をシェア

pagetop