ブラッディ トゥ ナイト

仮面から少しはみ出ている火傷の様な、皮膚のつっぱりの原因から聞き出す事にした。

理性が残っている間にヒツキや店の事、殺人依頼について聞いておく必要がある。

理性が飛んで覚えている自信が無いので、既にケータイで録音をしている。

「貴方の興味を引き付けておく為よ」

そう簡単には話してくれないようだ。

改めてベッドの上で聞くことにして、俺は諦めてワインを口に含んだ。

「貴方、お仕事は何してるの?」

ヒツキは俺の太ももを撫でながら、上目遣いで俺を見つめる。

ほんのり赤くなった頬に、お酒で濡れた唇が色っぽい。

全身で俺を誘っている。

「公務員だよ。平凡な」


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