ブラッディ トゥ ナイト

本当は隙を見て、僕も2階に向かう予定だ。

「会員証を」

財布から会員カードを取り出し、扉の前に立つ黒のスーツ姿の男に見せる。

「やぁ、マスター。お久しぶりですね」

「いらっしゃいませ。あれ、お兄さんと待ち合わせですか?」

カウンター席に座り、キョトンとした顔を見せる。

「この前一緒に来てた彼の事ですよ。でもその様子じゃ、偶然みたいですね」

マスターは苦笑いをした。

呑みかけのカクテルを見ながら、何も知らないフリをする。

< 305 / 379 >

この作品をシェア

pagetop