ブラッディ トゥ ナイト
「今までになッ」
『何人殺した?』と続きの言葉を言おうと口を開いたら、銃口を口に突っ込まれた。
背筋が凍ったのは、拳銃が冷たいからではない。
舌が拳銃の表面に触れ、火薬臭い鉄の味が広がり、えずきそうになった。
「お喋りは終わりって言ったはずよ?」
ヒツキはニヤリと口角を上げる。
「何で薬が効いていないのか分からないけど、お兄さんには死んでもらうわ」
カチッと拳銃のハンマーを倒おし、トリガーに添えられた人差し指に力が入る。
『梓さんッ!?俺を見殺しにする気ッスか!?早く助けに来てくださいよッ!!』
そう心の中で叫ぶと、扉が勢い良く開いた。