ブラッディ トゥ ナイト

梓、あずさ……あず、さ……。

私は上半身の強烈な痛みに耐え切れず、気を失ってしまった。

次に目を覚ましたのは見慣れない部屋のベッドの上だった。

ここは病院なのだろうか。

殺風景な部屋にはベッドと少しだけ大きな窓があるだけだった。

最後の記憶を思い出し、目が開く事に驚いた。

悪い夢でも見ていたのかもしれない。

そう自分に言い聞かせながら、両手をゆっくりと伸ばし、頬に触れてみる。

指先が触れている布の様な感触に、一瞬何か分からなかったが、それが包帯であることが分かった。

触れていた両手を見ると、指先以外は全て白い包帯に包まれていた。

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