ブラッディ トゥ ナイト

先程まで見ていた資料を倉庫に戻し、僕は車を走らせた。

途中コンビニへ寄ってから廃墟ビルに到着した。

辺りに人が居ない事を確認してから黄色い立入禁止テープを跨いだ。

砂埃や枯れ葉、虫や鳥の死骸などで汚れた床には調査で来た僕達の足跡が残っている。

僕がここに来たのは桑月の“気”を感じたからだ。

僕は藤山真綾に触れて犯人が解り、そしてその犯人である桑月の気配を感じ取る事が出来るのだ。

いつも僕はその不思議な力で、いち早く犯人をマークしている。

2階へ上がっている途中で上の階から呻き声が聞こえた。

「やっぱり……」

桑月の気をこの廃墟ビルで感じた時からコピーキャットも居るのではないかと思っていた。

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