ブラッディ トゥ ナイト
私の絶望の泣き声は口内でこだました。
「あ、目が覚めたんですね」
静かに扉を開けて先生が部屋に入って来た。
「萌ちゃん」
私の名前を呼ぶご機嫌な声の主を見た時、私は初めて絶望のその先を見た。
それは涙が止まるほどだった。
声の主は先生ではなかった。
私を醜い姿に一瞬で変えた青年が、ゆっくりと私の横たわるベッドに近づいて来る。
「イヤッ……来ないでッ……!!」
悲鳴とも言える拒絶の言葉は、虚しくも口内から出ることはなかった。
呼吸が乱れ、再び涙が溢れる。