ブラッディ トゥ ナイト
「次に目を覚ました時には綺麗になってるよ」
点滴の針が刺さる左腕が痛み、視界がぼやける。
全身麻酔で、崖から突き落とされた様に深い眠りの底に落ちた。
このまま死んでしまえば良いと願ったが、その願いは叶えてもらえず、再び同じベッドの上で目を覚ましてしまった。
「萌ちゃん。気分はどーお?」
悪いに決まっている。
私の顔を覗き込むニコニコした顔を見て、更に気分が悪い。
「ねぇねぇ……手を見てみて?」
見る以外の選択肢は無さそうなので、おとなしく両手を目の前にかざした。
「どう?」