ブラッディ トゥ ナイト

私が床で倒れていたということは、青年はまだ帰って来ていないようだ。

ゆっくりと体に力を入れ、立ち上がる。

逃げるなら今しかない!!

関節が軋み、歩くのが精一杯だった。

扉の前に立ち、耳を済まして外から音がしないのを確認する。

ドアノブを音を立てないように回すが、途中で止まってしまった。

「鍵が……」

鍵が外側から掛けられていた。

ならば窓から……。

振り返り、ゆっくりとカーテンの開けられた窓に向かう。


< 339 / 379 >

この作品をシェア

pagetop