ブラッディ トゥ ナイト
外が暗いため窓が鏡となり、灯りの点いた部屋を映し出す。
そこに映るミイラの様な私。
触っただけではわからなかったが、口元の皮膚が突っ張り、少し唇が吊り上がっている。
窓に近付けば近付くほど、大きくなる醜い私。
視界が歪み、涙は頬を伝うこと無く、包帯に染み込む。
「梓……」
貴方はいつ、助けに来てくれるの?
私はゆっくりと手を後頭部に伸ばし、包帯の留め具を外す。
目を瞑り、スルスルと私の顔から剥がれた包帯が足元に落ちるのを感じる。
静かな部屋に心臓の音が響く。