ブラッディ トゥ ナイト
髪の毛で顔が隠れて居ましたが、声で分かりました。
彼女が行方不明になっていた初乃咲萌だと言うことを。
「そろそろ日が登ります。人目に付きますから、とりあえず店に入りましょう」
「ダメッ。見られちゃダメなの」
一体、彼女の身に何が起こったのでしょうか。
私はとても心配になりました。
「私の店です。中には誰も居ませんから、大丈夫ですよ」
そう言うと、彼女はコクコクと頭を縦に動かしました。
店に入り、カウンター席に座らせました。
顔を伏せたままの彼女に水を渡すと、ペコッと頭を下げました。