ブラッディ トゥ ナイト
扉が閉まり、安堵の溜め息を漏らしました。
「出てけって言わないの?」
彼女の声がして、ドキリとしました。
「私は何も言わないよ。君がしたいようにすればいい」
仮面の奥から疑いの眼差しを向けられました。
「私も協力してあげましょう。そしたら少しは邪魔はしないというのを信じてくれますか?」
それから私はステージに立つ彼女を見て綺麗だと褒めた男性客を、彼女に知らせる事になりました。
私は彼女のファンでした。
姿の変わってしまった彼女に好きな事をさせてあげたいと思ったのです。
彼女の気が晴れるのであれば、それで良いと。
それが私の動機です。