ブラッディ トゥ ナイト

2人でヒツキに視線を向けると、ヒツキは銃口を此方に向けていたが、トリガーを引いていなかった。

脅しだったのかと思ったが、ヒツキの顔付きを見て違うと悟る。

「な、に……すん、のよッ!?貴方を、助けてッ……あげ、なかった男を……殺して、あげるんだから……邪魔、するんじゃ……ないわよッ!!」

萌がトリガーを引くのを阻止しているのだ。

「この男のッ……愛なんて、その程度だった、のよッ……私なら、いつでも……貴方の、そばに居るわ……だから、だからッ……その手を返しなさいッ!!」

今ならヒツキの拳銃を奪って、動きを封じる事が出来る。

同じ事を考えていた火茂瀬が先に立ち上がり、ヒツキに掴みかかる。

「銃を離せッ!」

「イヤよッ!殺してやるんだからぁぁぁああああ!!」

拳銃と火茂瀬の悲鳴は同時だった。



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