ブラッディ トゥ ナイト

「ァァァアアアッ!!」

火茂瀬は左太ももを撃ち抜かれ、ヒツキの足元に崩れ落ちる。

「邪魔、するからよ……さぁ、次は貴方の番よ」

ヒツキは意識を失った火茂瀬から視線を外し、再び僕に拳銃を向けるが、それ以上は手が動かない。

萌がトリガーを引くのを阻止しているからだ。

「アンタッ……どこに、そんな力……あんの、よッ!?」

ヒツキは両手を奪い返そうと、拳銃を握る両手に力が入り、震えている。

「こんな男ッ……生かしておく、価値なんて……ない、じゃないッ!?何で、見捨てられた、のに……まだ愛してるわけッ!?……私を……私を、選びなさいよッ!!」

ヒツキは体内に閉じ込めた萌に叫びかける。

どうしたら萌を助けてあげられるんだ!?

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