ブラッディ トゥ ナイト
「梓!救急車が……ッ……!」
白城が救急隊員を連れて部屋に入って来たが、部屋の光景を見て、言葉を詰まらせる。
「あず、さ……これは……」
「火茂瀬を……早く救急車に……こいつは気を失ってるだけです……」
血だらけの手で、拳銃から離れた萌の左手を強く握る。
「まさか……そんな……」
白城は萌の穴の空いた喉と右手に握られたままの拳銃を交互に見つめ全てを悟り、救急隊員に火茂瀬を連れて行くよう指示を出す。
「僕は……もう少し……もう少しだけ、萌のそばに居させて下さい」
子供の様に涙を流しながら白城にお願いをする。
「あとでお前も手当を受けろよ」