ブラッディ トゥ ナイト

墓の前に居た県警に挨拶をすると、県警が道を開けてくれた。

そして俺が山梨に呼び出された理由が分かった。

「梓さん……なに、やってんスか……」

瞬きすら忘れ、初乃咲萌と彫られた墓石に寄り掛かる梓さんを見つめる。

梓さんは喉に穴が空き、傷口と口から血を流し死んでいた。

右手に握られた拳銃は新しい血と茶色く変色し乾いた血が付着している。

考えなくても新しい血は梓さんの物で、乾いた血は萌さんの物だと解る。

拳銃が失くなり回収が出来ていなかったが、梓さんが持っていたのか。

こうなることは薄々感じていたので、悪い予感が当たらないでほしいと思い、梓さんにメールをしたのだが、既にここで死んでいた様だ。

右手に拳銃を握り、左手には何か紙を強く握り締めていた。

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