ブラッディ トゥ ナイト
コピーキャットである火茂瀬の動機は、その理由に近いが僕は違う。
「でも訴えるなら、他の方法にしてもらわないと素直に応援出来ませんよ。殺しちゃ犯人と同じですからね」
「執行人も犯人も捕まえられんのかなぁ……」
白城が溜め息をつく。
長いトンネルを抜け、眩しい太陽がネガティブな空気を浄化してくれるようだ。
「さぁ着きましたよ。桑月が藤山真綾と同じ死に方かどうか確認するのが最後の仕事です」
車から降り、白城に声を掛ける。
「ふぅ……。いつまでも、うだうだ言ってたってしょうがないか。刑事である以上、捕まえることが仕事だからな。わりぃ。梓と犯人捕まえられないからって、カッコ悪い所見せちゃったな」
白城は気不味そうに頭をガシガシ掻きながら車のドアを閉めた。
「僕も同じ気持です。……すごく悔しいですから」