ブラッディ トゥ ナイト

手帳とペンを構え、首を傾げる。

「さっきから、そこの“偽物”がうるさくてな」

僕の隣にしゃがむ火茂瀬を指差した。

「俺も刑事だって言ってんだろッ!おっさん!!」

「誰がおっさんだっ!小倉だ!お前みたいなチャラついた奴が刑事なわけあるか!!」

「なっ!?」

火茂瀬は小倉(オグラ)と名乗った男の発言に、しばらく放心状態になり、全速力でどこかへ行ってしまった。

僕は驚いて火茂瀬の走って行った方を見つめた。

「刑事さん……条件がある」

小倉の声に振り返る。

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