ブラッディ トゥ ナイト
「僕に出来る範囲なら条件を飲みます」
食料か……金か……。
「この路地裏は死角になるからいつもラブホ状態で、昨夜も女の声が聞こえたもんだから見に行ったんだ。嫌がる女を見てレイプだと解ったが、レイプはそれが初めてじゃないし、構わず見てたら男の様子が変わったんだ」
頷きながら、しっかりと書き留める。
「……どう変わったか具体的に」
「ズボンを履いて辺りを見回したから誰か来たのかと思っていたら、男が急にナイフを取り出して女に切り掛かったんだ。見付かったら殺されると思って咄嗟に隠れた……」