ブラッディ トゥ ナイト
「一緒に殺らせて下さいっ!」
何をお願いされるのか予想していなかったので、火茂瀬の申し出に驚き、飲んでいたコーヒーを吹いてしまった。
「はっ!?」
手の甲で濡れた口元を乱暴に拭いながら目を見開く。
「今回だけでも良いんです!もう被害者から依頼来て、OKしちゃったんですよ!んで、今夜夢で会う約束してるんです。だからお願いします!一緒に殺らせて下さい!!」
わざわざ座り直したのに、火茂瀬はソファーから降りて、絨毯の上で土下座をした。
「ちょっ顔上げろ」
なんなんだ、こいつ……。
「……お前は復讐よりも夢でヤることの方が大切なのか?」
呆れて溜め息しか出てこない。