ブラッディ トゥ ナイト

「そうか……じゃぁ僕は帰る」

荷物とコートを手に取り立ち上がる。

「呼んだの俺ですし、泊まってって下さいよ」

「いや、遠慮しとく。仕上がってない書類もあるし、僕も一人暮らしだから家の事が溜まってるんだ」

歯を磨いている火茂瀬に背を向ける。

「じゃぁ、俺が本当に霊感あって被害者の女性と夢で会ってるのか証明してあげますよ」

“証明”という言葉に興味を惹かれ振り返ると、歯ブラシを咥えながら得意気な顔をしている火茂瀬と目が合った。

「どーします?」

火茂瀬はニヤリと笑いながら、僕の横を通り過ぎ、洗面所に向かった。

「……どうやって証明するんだ?」



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