ブラッディ トゥ ナイト

仕方なく諦めた僕は、スーツだったので寝やすいワイシャツになった。

クリーニングに出したスーツを取りに行くついでに、シワシワになるであろうこのワイシャツをクリーニングに出そう。

火茂瀬から貰った新品の歯ブラシで歯を磨き、火茂瀬のベッドの隣に敷かれた布団に入る。

「すいません、本当なら俺が床なんすけど、そっちの方が布団もシーツも綺麗なんで」

「いや、僕は布団で構わない」

僕はメガネを枕元に置いてから横になる。

「それじゃ電気消しますね」

真っ暗になった部屋で火茂瀬がベッドに入る音が聞こえる。

暗闇に目が慣れ、ぼやけた天井を見つめながら、証明など出来るのだろうかと考える。

眠りが浅ければ夢を見る事は可能だが、もし僕が深い眠りについてしまった場合、夢は見られないから証明が出来なくなってしまう。

< 71 / 379 >

この作品をシェア

pagetop