ブラッディ トゥ ナイト

最近夢なんて見ていない僕は、浅い眠りなど期待しないで、1日の疲れを感じながら目を閉じた。

疲れていたのですぐに睡魔はやって来たのだが、何かビニール製の物を破く音に始まり、隣からの物音が気になって眠れない。

布団の動く音もすれば、ギシギシきしむベッドの音も聞こえる。

おまけに火茂瀬の荒い息遣いまで聞こえてくる。

「っ!?」

もしやと思い、目を開けて隣を確認すると、ベッドで横になって眠っているのだが、腰が動いている。

見てはいけない光景を目の当たりにし、慌てて目を閉じ、浅くてもいいから眠りにつこうとした。

……だめだ。

隣からの音が、眠りの邪魔をする。

布団を頭からかぶっても、意味はなかった。

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