ブラッディ トゥ ナイト
《不協和音》
事件が発生してから、既に何日か経っているから、見張りは配置されておらず、黄色いテープが張られているだけだった。
日付が変わる時間帯は人通りが少なくなる場所なので、僕らは周りを気にせず、黄色いテープをくぐった。
誰かに目撃されたとしても、警察手帳を持っているし、上には適当に言っておけば問題ない。
狭い路地を2人並びながら歩いて奥へ進む。
第一発見者の小倉は見当たらなかった。
さすがに殺人現場になった場所には、好んで住み着かないだろう。
「お前、どこまで無計画なんだ?犯人はどうやって連れて来る気だ?」
血痕が少し残る地面を見下ろす。
僕たちが先に来ては意味がないだろう。