黒猫ちゃんの憂鬱5




『ごめんね、巻き込んで』




「え?あ、や。だいじょう・・・ぶ?」





少しだけカエデから香る、ミステリアスな匂い。






その香りがスッと鼻を掠めた。






『ん?どうした?』




「いや・・・。何か・・・」




『何か、・・・?』



「何か、見たような気がした」





肩を抱かれている時、匂いを嗅いだとき。





ふ、とカエデを見たとき。





右に視界に入った黒い髪。









それは短く、ショートヘアに見える。





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