蕾は未だに咲かないⅠ
欲動
◆
酷く、身体がだるい。
「………何してんだ?」
「…今日の食事、残してしまうかもしれません。」
朝早く冷たい床に寝転がると、それから動くのが億劫になってしまった。冷たくて気持ちいいのだ。
それを見た朝食を届けに来た日向君は訝しむ顔で、扉からあたしを見下ろしていた。
「何故?」
「…食欲が、なくて……水を浴びたい気分。」
「ぶっかけてやろうか。」
「………結構です。」
冗談との境界線が曖昧な人たち。