蕾は未だに咲かないⅠ

欲動




酷く、身体がだるい。


「………何してんだ?」

「…今日の食事、残してしまうかもしれません。」


朝早く冷たい床に寝転がると、それから動くのが億劫になってしまった。冷たくて気持ちいいのだ。

それを見た朝食を届けに来た日向君は訝しむ顔で、扉からあたしを見下ろしていた。


「何故?」

「…食欲が、なくて……水を浴びたい気分。」

「ぶっかけてやろうか。」

「………結構です。」


冗談との境界線が曖昧な人たち。


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