蕾は未だに咲かないⅠ


あたしは日向君を一瞥すると、頬を床に付ける。身体が熱くて、すごく眠たい。


日向君はコトン、と音を立てて御膳をテーブルの上に置いたのが分かる。あたしはじっと、床に目線を落としていた。

しばらくの静寂の後、子供が背伸びしたような声が鼓膜に響く。


「具合悪いのか。」

「……そうなのかな…。」


小さく呟く。眠たくてだるくて、答えるのにもいい加減になってくる。

ミシ、とフローリングが軋む音がした。衣服が擦れる音に、日向君が側に来たのだと分かる。


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