蕾は未だに咲かないⅠ
びくうぅ、と電気が走ったように驚愕する日向君もさして気にならず、その冷たさの帯びた手をあたしの首筋に当てる。
冷たくて気持ちいい。
「ちょ、お前、」
「ぁ…」
なんか、目が回ってきた。
力が抜けて、掴んだ日向君の手も零れ落ちる。そしてそのまま、目蓋が閉じていくのが分かった。
ぐるぐる、と。
脳が回って、気持ち悪い。
「おい?」
そしてあたしは、突然襲ってきた眠気に目蓋を完全に閉じた。