蕾は未だに咲かないⅠ


カーディガンを脱ぎ、ぱさりと背後へと落とす。自然と膝立ちになって、彼を見下ろす形になった。

そして無表情のまま、シャツを捲り腕へと通す。薄いタンクトップも床へ落ちていく。


下着だけになった時、初めて輔さんが表情を変えた。

ゆらりと手を伸ばすと、クスリと笑んであたしの腕を引き寄せる。


「――乗った。居られても目障りだったし、丁度良いや。」


そして全てが反転した。


ぎぃぎぃと音をたてて、何かが崩れていくような音がした。


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