蕾は未だに咲かないⅠ
「キスして。」
壊すのならば、壊れるのならば、とことん壊してしまって。
心が打ち砕かれ何もかもに感情がなくなるくらい、それくらい中まで壊して欲しい。
もう、嫌。
鶴来さんに動揺させられた事が許せない、日向君に親近感を持ったのが切ない、輔さんに身体を触れさせた汚い自分が嫌い。
ゆっくり輔さんの顔が近付き、誰もあたしたちを止めることはないまま、そのままあたしは身を委ねた。
――もう、嫌だ。