蕾は未だに咲かないⅠ


というか、睨みで返された。正直、あの冷たい空気の鶴来さんよりかは全く迫力がない。


「…チッ」


パタン。

謎の金髪少年は、舌打ちをしてお膳を取っていった。


子供っぽくて素直で、そんな人も此処には居るんだ、と少し肩の力が抜ける。

…まあ、いよいよ此処がどんな別邸か、彼らは何者なのか、分からなくなったけど。


ううん。
軟禁が終われば、無関係になるでしょ。

どうだっていい、そんな疑問なんか。詮索なんか。


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