蕾は未だに咲かないⅠ


息が乱れた。それもそうだ。一気に抱き上げられて、呼吸の仕方が分からなくなった。痛みには、身体が硬直した。

痺れる。全身、が。


「開けろ。」

「はいっ」


お願いだから、運ぶならゆっくり…


「っい!」

「…」


くっ…怒りが沸いてきた。痛いんだけど。誰か、どうにかしてよ。この痛み、しつこすぎる。

どうやらあたしは、車に乗せられたらしかった。

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