蕾は未だに咲かないⅠ
殺意
なんて冷たい体温なんだろう。けどそれは微かに感じるだけで、あたしも冷たくなってるのだと気付く。
でも、きっとこの人は心まで底冷えしているのだろう。
雨が、弱まってきた。
ふと足元に目をやると、泥と水で汚くなっていた。赤い色も滲んでいて、どこかで怪我をしたのだと知る。
というかこの人、どうして1人で追いかけて来たのだろう。
仲間に連絡するとか…あ、そうか。
信頼してないんだ。誰も。
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殺意