蕾は未だに咲かないⅠ
◆
「………れ」
目を開けた第一声。あれ。
まさに、あれ?だった。
目の前には、暗くてくすんだ天井。周りには殺風景な襖と畳。あたしは布団に寝かされ、横には薬と水が置いてある。
「…………?」
――此処、何処だ?
あたしは記憶を手繰り寄せ、どうしてこんな状況なのかをひたすら考える。
何か……なんか、アスファルトにぶっ倒れた記憶があった。
そして腰が痛い。背中も痛い。打った痛みが占領してる。