蕾は未だに咲かないⅠ
何故なのか、何の危険信号なのか、しきりに頭を回しているうちに腕を捕られた。
ハッとして顔を上げると、そこには“無表情”に戻った、冷たく鋭い綺麗で端麗な彼。
魅入られてしまいそうで、掴まれた腕に目をやった。
何……?何が起きるの…?
「てめぇで良い。」
「は―――、っ!」
そして、背中に強い衝撃を感じた。固い床の感触が、じわりじわりとあたしの脳へと警告レベルを上げていく。
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