蕾は未だに咲かないⅠ


あたしは、こういう人間だ。


「情けない姿を、敵意剥き出しの相手に見せてもいいんですか?貴方にも、プライドは有るんじゃないんですか?」

「………チッ」


熱が冷めていき、彼の“中身”も急速に冷えていくのが手に取るように分かる。


あたしは無神経で、嘘吐きで、しかもそれを盾に生きてきた人間なのだ。

鶴来さんはあたしを見下すように睨みつけると、―――


頭が真っ白になった。


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