蕾は未だに咲かないⅠ
――――――彼の手に、鶴来悠貴の手に、折り畳み式らしき銀色の刃が握られていた。
「………………な、に」
「てめぇは、ただの女にもなれないんだな。冷めてっし、見てて目障りだ。」
「だから………?」
「―――お前に苦しみを味合わせてやる。」
「っ…!!」
ナイフが、蛍光灯の光を反射させてギラギラと此方を向く。
今更。本当に今更だけど、あたしはツイてない。しぶとく生きたのが間違いだったか。