似ているからこそ、相容れない。
イヴの『壊れちゃえ』で多少なりとも血が吹き出すミチルの体。


しかしミチルは苦痛に顔を歪めようとしない。むしろ微笑を溢してユラユラと立ち尽くしている程だ。



「何が違うかって?あひゃひゃ、そら簡単な解答でっせ。

"やっぱアタシは普通の人間じゃない"んだと、"昔の自分とは違うんだ"って。そう、思っただけだよ」


「は……?」


「あひゃひゃっ、『分かんない』って顔してるねぇ。ああ、1つだけ教えたげる。

アタシはゾンビ。腐敗した体にゃもう何の痛みも感じないワーケ。……ま、そんかし精神ズタボロなんだけどねー」



そう言って心臓近くをトントンと叩くミチルに対し、イヴはムッと顔をしかめる。



「それってこのゲーム、ボクに不利じゃん。君、なかなか性格悪いね」


「あひゃ、そらドーモ。あんたも随分いい性格してっと思うけどねぇ。顔に似合わず、残虐すぎる」



言い終わると同時に床を蹴るミチルはイヴの元へ駆ける。

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