似ているからこそ、相容れない。
先程の部屋を見て思ったが、やはりここは洋館の中のようだ。


ミチルは部屋から出ると、考えもなしに廊下をフラフラ、適当に部屋の扉を見つけては蹴破る。また見つけては蹴破る。

その繰り返しだ。



「うっは、なにここ。だーれもいないじゃーん。ツマンネェの」



口を尖らせてポケットに手を突っ込んだまま廊下を歩くミチルは、ふとどこかから声が聞こえることに気づいた。


「……?」耳を澄ませれば成る程、ここよりもっと奥の部屋かららしい。


そうと決まればさっそく行動開始。ミチルは意気揚々とした顔をし、早足で廊下の奥へと向かっていった。



「ビーンゴっ、声が聞こえる声が聞こえるっ!ワクワクしてきたあっ!」



言葉に言い表せないこの感情。


嗚呼、早く家主に会いたい。
"楽しみ"がすぐそこまで来ているのだ!

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