似ているからこそ、相容れない。
痛くも痒くもない、なーんてウッソー。苦しくて狂いそうだわ。



部屋のあちこちに横たわっていた残骸を廃除し、二人は向かい合う形で部屋の中央にいた。



「ルールは至極、単純明快。『参った!』って言った方の負けなんだけど…………壊れてもアウト。

どこまで自我を保てるかな?つまんないプライドと後待つ夢を、守りきれるかな?

この勝負、きっと長引くだろうねぇ」


「あははっ!前置きはいいから早く遊ぼうよ!ボクもうウズウズしてきたんだからさぁっ!」


「あひゃひゃっ、そりゃこっちもドーカン。んじゃ、我慢比べといきますか。

Ready?」


「ごーごーっ!」



イヴの掛け声と共に床を蹴り、飛び上がる両者。



……見たところ、イヴはかなり強者魔法使いってとこかね。あひゃ、ゾクゾクしてきた!



この我慢比べを楽しむためなのか、勝負に早々と決着をつけないようイヴは素手で相手を狙ってくる。



「(ま、そりゃこっちも同じなんだけどさ。我慢比べ以前に、これは子供のちょっとした"お遊び"だよ?

楽しまなきゃ損々っ!)」



そうして向かうミチルも同じく素手だ。

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