【完】隣の先輩。
『…わかってます。先輩が彩乃と別れるわけないってこと。先輩が彩乃のことずっと好きだったの、私知ってますから。先輩は気づいてませんでしたけどね。』
ふふっと笑いながら絢は言った。
『…彩乃、今すごく落ち込んでます。そろそろ仲直りしませんか…?彩乃が辛いと私も辛いんです。彩乃はいつも私を一番に考えてくれていたから……。』
絢は次第になきそうなこえになっていく。彩乃は、こんなにも思われていたのだ。
「絢、ありがと。弱虫はやめるわ。…今日彩乃のところまで行ってくるな。」
『!…先輩。彩乃はあの待ち合わせ場所でいつも朝早くから待ってますよ、…先輩のこと。』
絢はすっかり元気ないつもの明るい声でそういった。