【完】隣の先輩。
なんか照れ臭くて俯いた。ほんのり化粧をした彩乃は空を仰ぎ見ていた。
「…っよし、先輩!!!どこいく??」
「ま、任せろ!!」
これでもリサーチをしてきた、と思う。
そう言って駅ビルの近くにある映画館に足を運んだ俺達。
「映画館で映画見るのなんていつぶりだろ?!」
彩乃は小さな子供みたいに喜びだした。
「…なんでもいいの?!」
「うん、彩乃が好きなやつで。」
「やった!!じゃあこれ!!!」
彩乃が指差したのは、今流行りの恋愛映画―――――ではなく、普門館を目指す吹奏楽部のなにやらを描いた青春映画だった。
俺は驚愕した。