【完】隣の先輩。
そんな俺の淡い期待をぶったぎったのは、当人たる2人だった。
「…鈴音が恋が成就する水、飲んでるー」
有名なスポットにやってきた俺と日和の前に並んでいたのは鈴音だった。
「…なによ、なんか悪い??」
「どうせ叶わない恋なのにね。彩乃ちゃんから悠輔奪うつもり??それ、最低だよ。まあ、もとからあの付き合いだした時期に告るのもどうかと思ってたけど。」
「…え」
なに、なんで彩乃と俺が…
───────────────鈴音は、まだ俺を諦めていない?
幸せに浸りすぎて、忘れていた、と言えば鈴音に失礼な言い方だが、実際そうだった。
俺は夏休み頃に、鈴音に告白されている。
もしかして、まだ……?