strawberry tea
**蓮side**
『あなたには負けました。
やはり彼女には勝てませんね・・・』
そんな声が聞こえてきて、俺は歩く足を止めた。
"席を外して"
そう言われたから、行かなくちゃいけないんだろうけど、
勝ち負けや彼女というワードに俺は足を止めてしまった。
気になる!!
悪魔の俺が心の中から勢いよく現れた。
俺はいけないと思いつつも、息をひそめ、そこに静かにしゃがんだ。
そこは踊り場から13段降りて、またそこにある踊り場の一隅。
見られる心配もない。
俺は耳をそばだてた。
『すみませんでした・・・』
「い、いえいえ!!!
全然気にしないで下さい~・・・」
そんな会話が聞こえてくる。
何だ?
勝ち負け?
何か勝負をしてたというのか・・・?
そして、次の瞬間・・・
『では・・・蓮君をどちらが先に誘惑できるか勝負・・・
海宝さんの勝ちですね・・・』
・・・・・・・・・は?
俺は耳を疑った。