strawberry tea
…だからこんなに苦しくて切ないのかな。
自分ばかりが蓮の事思ってるんじゃないかって。
けど、あたしは何もしてなかったんだ。
蓮に与えてもらってばっかりなんだ。
甘い囁きも、優しい瞳やまぶしい笑顔も、全て。
全て…あたしがもらってるんだ。
あたしは蓮に何もしてないし、蓮に素直になってない。
でもそれは゛好き゛の裏返しなんだ。
蓮に誤解されてしまうかもしれない。
けど素直になれない。
あたしは、凄く蓮が好きなの。
好きだから、
勘違いして
求めて
我が儘で…。
゛相手を思いやらなくちゃ恋愛はできない゛
何かで見た事がある。
そうだよ。
結局あたしは自分ばかりで、与えてもらう事ばかり。
だからこんなにもどかしいんだ。
相手を思いやる。
相手の気持ちを考える。
蓮にも苦しみがあったのに。
…あの時、
一年生の3人組に絡まれて、蓮に別れを告げられたとき。
蓮はあたしの事を思って離れたんだ。
…蓮は、いつでもあたしを思ってくれてた。
『鼻声じゃん、冬嘉。
大丈夫か?』
『今日一緒に帰ろ♪』
『冬嘉。』
その優しい声であたしを呼んでくれた。
あたしは最悪だ。
挙句の果てに、先輩に告白された事を蓮に話せないでいる。
…話さなくちゃ。
あたしはすぅっと息を吸った。