strawberry tea
―次の日。
朝早く起きてしまった。
準備もしてしまった。
結局流されてしまうあたし。
でも、何だかんだ言って楽しみだったりして。
……矛盾女。
これから自分を自称・矛盾女としよう。
(↑何それ)
セミロングの黒い髪を少しアレンジして、お気に入りの服を着る。
お母さんには…まぁ伝えた。
さすがにお父さんには彼氏と旅行、なんて言えないから。
でも、お母さんが蓮の事をお父さんに言ったらしく……
意外にもお父さんは「仲良くな」って言ってた。
泊まりの事は言えないけど、そう言われて嬉しかったよ。
ピアスをつけ、荷物の再確認。
8時に駅前という事になっている。
…よし!!
ってか…心の準備出来て無いよ…。
あたしは嬉しいのか緊張なのかよく分からない気持ちを抱えて、家を出た。
『蓮君に宜しくねー♪』
そんなお母さんの声が背後から聞こえ、あたしは仕方なく手を振った。
―駅前
丁度良いくらいの時間。
すると、蓮が見えた。
…蓮っていっつも待ち合わせると早いな~…
この間の遊園地デートもそうだった。
「蓮!!」
『おはよ』
少し微笑む蓮。
……格好良い。
髪の毛を少しアレンジしていて、いつもと違う雰囲気。
洋服は相変わらずおしゃれだ。
「蓮ってさー」
駅のホームで電車を待っているとき、あたしは言った。
「何で待ち合わせるとあんな早いの?」
ちょっとした疑問。
『あー、俺のポリシーだから』
「ポリシー?」
なんだか面白くて笑ってしまった。