strawberry tea
――
綺麗に飾られた料理も、今は真っ白なお皿しかない。
「美味しかったぁ!!」
『マジ美味かったな』
あたしと蓮はレストランを出る。
料理代は旅行代に含まれているみたい。
『次は~…』
蓮がパンフレットをパラパラとめくる。
『次は宿に荷物を置く…
宿で昼までいる?』
「宿!?行きたい!!」
あたし達は足を進めた。
―宿
『いらっしゃいませ。
予約されていた、守谷様ですね。』
綺麗な着物を着た人が現れる。
『こちらへ。』
あたし達はその人の後をついて行く。
暫くして着いたのは、ふすまの前だった。
左手にはふすま、右手には縁側の外に広がる緑の庭。
「…綺麗…」
あたしはほうっとため息をつく。
『どうぞ。』
開かれたふすまの先に広がる部屋。
「わ~!!綺麗!!」
畳の香り。
ちゃぶ台に座席が手前。
その先に、フローリングになっているスペースがある。
そこには、小さなテーブルとイスがあり、窓がある。
窓から見えるのは庭園。
「凄ーい!!」
『ではごゆっくり。』
あたしが感動していると、女の人は出て行った。
「綺麗だね!!嬉しい!!」
『だな』
…何か…だなって言ってる割には反応微妙じゃない?
コートを脱ぎ、庭園を見る蓮。
……何考えてるのかな?
あたしはふと思った。