strawberry tea
**冬嘉side**
『蓮の彼女!?』
…蓮。
梢ちゃんがそうあたしに尋ねた時、あたしはちょっと驚いた。
幼馴染って聞いたら納得したけど。
梢ちゃんは、蓮を゛蓮゛って呼んでる。
そんな人、あたし以外いなかったからな。
守谷、守谷君、蓮君。
呼び捨てはあたししかいなかった。
それが何だか嬉しかったの。
『蓮って呼ばなきゃ罰ゲーム』
今は蓮、としか言えなくなってる。
それを言えるのはあたしだけだった。
内心優越感を抱いていたのかもしれない。
だから少し…心がモヤモヤしたの。
二人の口喧嘩も、仲良い証拠、って感じだった。
蓮と梢ちゃんは、ただの友達関係って思った。
けど、けど。
……梢ちゃん…
蓮が好きなのかな。
はっきりとした根拠は無いし、あたしの勘違いかもしれない。
けど、女の勘…?って言ったら変かもだけど…
梢ちゃんは、蓮が好きなような気がする。
………今も、昔も。
心がモヤモヤする。
あの文化祭の時みたい。
蓮が他の女の子に優しく接している。
あたしは蓮の過去にも嫉妬した事がある。
嫉妬深いのかな。
ヤキモチヤキなのかな。
あたしの勝手な思い違いだと思う。
けど、それでも心の奥はその考えを拒否してるんだ。
……矛盾してる心。
あたしだけなの…?