strawberry tea



「…ごめんなさい……」



あたしが言うと、部屋はもっと静かになった。







『………海宝』



先輩が呟く。
と、同時に



「ッ!?」









抱き締められた。




………え?







「……先輩?」
『本当にごめん…
ちょっとだけ。

もう諦めるから、海宝の事。』






…………え?






諦めるって……


今もあたしの事が好き…なの?



あたしを離したら…諦めたって事…?








あたしは先輩の腕の中で必死に、めまぐるしく考えていた。











………抵抗もせずに。





















『………冬嘉…?』





……………え?


この………声………






先輩も気付いたみたいだった。





あたし達は、ドアの方を見た。









………………嘘。





< 223 / 289 >

この作品をシェア

pagetop