strawberry tea



**蓮side**







それは、休憩中の時だった。



『守谷君っ!!!』




水を飲んでいる俺の前に現れた、一人の女。



二年生…
リボンの色で分かった。





「何ですか?」



『海宝さんが…っ』




………冬嘉?


女の焦ってきた様子で、何だか嫌な予感がした。









『海宝さんが、6人くらいに資料室に連れてかれて…

何か、危ない雰囲気だったんです!!』





…まじかよ。




「今も資料室に?」

『はい、そうです。
あたしじゃ怖くて…彼氏さんなら大丈夫かなって…すみません!!』



「…いや。
教えてくれてありがとうございます。」






俺はすぐさま駆け出そうとした。





…でも。






今日は他校との練習試合。


他校がいるとあって、無断で出て行くなんて無理だ。







俺は顧問の元へ走った。



何か仮病を使って抜け出そう。






…俺は気付かなかった。











帰ろうとしていた三宅が、その話を聞いていた事を。






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